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FTPSもSFTPも使えるフリーで高機能なFTPクライアント「Filezilla」を使う【1/2】

FFFTPはFTPクライアントソフトだ。しかもフリーだ。
NextFTPもFTPクライアントソフトだ。これは有料だ。

このたび、FFFTPに関してのセキュリティホールなんかが取りざたされているが、そもそもこの時代にFTPを使っているという時点で、個人情報保護法的にもコンプライアンス的にもアウトなのは言うまでもない。

いまだにFTPなんていう、まるでスラム街を美女が全裸で歩くような仕組みのプロトコルを使っているのは危険過ぎるのは当然ご理解いただけているとは思うが、「そんなことは知ってるけど現実は違うんだよ!」という、実は会社の政治的背景、もしくはクライアント側(客先)の都合によって、セキュリティ思想が封じ込められてしまっているという担当者も多くいるはずだ。

大抵そういうセキュリティをないがしろにする会社は淘汰されると思うし、それを期待しているわけでもあるが、そういった「FTPが悪い!」「SCPやFTPSにしろ!」という啓発は抜きにして、単純に

FFFTP以外でフリーのFTPクライアントソフトってなにかある?

という質問を仮想的に立て、それに答える形で書いていこうと思う。
しかしそっけない解答をすれば、答えは1個で、

俺たちにはFilezillaがあるではないか!!



になるんだけど、実際にFFFTPやNextFTPなどとはインタフェースが違いすぎて毛嫌いする人がいたりすることと、そもそもFTPがファイルをアップロード/ダウンロード(正確にはPUTとGET)するだけのソフトなのに、それすら理解できてない人が「使わされている」という現状もありつつ、さらに可能な限りFFFTPと似たようなインタフェースで多少の支援ができるように、少しつっこんだ使い方なんかがあれば、それも紹介したいな、という試みである。

ちなみにSFTPやSSHでよく使われているWinSCPだが、PCリテラシーの低い人にソフト本体と別に言語ファイルが必要だという事を説明しても、理解していただけない場合があるということと、本体の最新バージョンと言語ファイルの最新バージョンが大抵一致してなく、一緒に使うとインタフェースが崩れてしまう事がしばしばあるため、候補としては除外している。

まずはFilezillaをダウンロードしてみよう。FireFoxなどと同じく無料なので、ダウンロードするには何も精神的な覚悟なんて必要ない。

Googleなどで「Filezilla」を検索しても言いし、ここから直接遷移しても良い。FTPサーバを立てるわけではないので、ダウンロードする際はFTPクライアントということになる。迷わず「Download FileZilla Client」をクリックしよう。プラットフォームにあわせて自動的に適切なファイルがダウンロードされる。

ちなみに対応しているプラットフォームだが、「Runs on Windows, Linux, *BSD, Mac OS X and more」と書いてあるように、ほとんどメジャーなプラットフォームをカバーしているのも特徴のひとつだ。

というわけで、ダウンロードしたらセットアップを開始し、起動してみよう。最初は以下のようなインタフェースになっていると思う。


NextFTPやFFFTPなどのユーザによっては、このレイアウトが毛嫌いする理由のひとつとなっているとは思う。NextFTPはバージョン4からエクスプローラメニューが実装されているので、もしかしたらNextFTP4ユーザにとってはとっつきやすいのかもしれない。

今回はこのレイアウトをいろいろ変更して、自分にあったスタイルで表示させてみようと思う。まずは一番上にあるログペインが邪魔なので、これを下のタブペインに統合し、ディレクトリメニューをエクスプローラ式にしてみる。
「編集」>「設定」で設定画面を開こう。


設定ダイアログ内にある「インタフェース」を選択すると、「レイアウト」と「メッセージログの位置」などを変更することができる。
今回はレイアウトを「エクスプローラ」、ログの位置を「転送キューのタブとして表示」に変更してみた。変更はリアルタイムで行われる。

補足になるが、インタフェースのサブメニューに「テーマ」という項目があり、ここでテーマを選択することができるのだが、少々かわっていて、選択しているタブが有効になる、というものだ。チェックボックスやセレクタで選択するものではないということに気をつけておこう。ここでは32x32ピクセルのアイコンを選択してある。


選択できるテーマは決して多くはないし、FTPクライアントとしてはなくても良い機能だが、テーマチェンジというものは多少なりとも使う側をわくわくさせるものでもあるし、にぎやかし要素としては最適ではなかろうか。

さて、上記設定を反映させてみると、以下のようになったはずだ。


上段がローカル側、下段がリモート側になり、それぞれ左側がエクスプローラペイン、右側がディレクトリペインとなっている。
各ペインのフレーム枠はマウスで移動できるので、適宜使いやすい位置まで引っ張っておこう。

リモート側のエクスプローラペインでは、一度も開いていないディレクトリには「?」マークがつき、一度でも開くと「?」マークが外れるようになっている。WindowsのSVNクライアント「TortoiseSVN」を使ったことのある人間であれば、「リポジトリの範囲外」みたいなイメージがわくかもしれないが、アイコンとしては十分その機能を果たすものとなっている。

さて、FFFTPなどの、ローカルとリモートのディレクトリペインしかないレイアウトに慣れ親しんでいる人も多いと思う。俺適には上記エクスプローラペインが使ってみて意外に便利だな、と思っているのだが、それまではエクスプローラペインは邪魔としか思ってなかった。そんな感覚の人にも、このFilezillaは要求にこたえてくれる熱さがある。

まずは例によって「編集」>「設定」>「インタフェース」を開こう。


 先ほどの「レイアウト」では「エクスプローラ」が選択したが、ここで「ワイドスクリーン」を選択しよう。リアルタイムでワイドスクリーン、つまりローカルとリモートそれぞれが横並び状態になってくれる。

しかし、エクスプローラペインがローカル、リモートそれぞれ1個ずつ、ディレクトリペインも1個ずつだと、さすがに見やすいとは言いがたい。


ワイドスクリーン設定では、エクスプローラペインは邪魔になる。
そこで、ウィンドウのツールボタン郡にある「ローカルディレクトリツリーの表示」ボタン(左から2個目)と、そのとなりにある「リモートディレクトリツリーの表示」ボタンをクリックし、表示をOFFにしよう。かなりすっきりした、使い慣れたレイアウトになるはずだ。

 
FFFTPユーザはこのようなレイアウトの方が慣れているのではないだろうか?

次回は接続の設定をする予定。