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FTPSもSFTPも使えるフリーで高機能なFTPクライアント「Filezilla」を使う【2/2】

さて、基本的なインタフェース設定はもう問題ないと思う。次は実際にサーバに接続するための設定を行う。

基本的にFFFTPを使っていたユーザ向けの記事になるので、WinSCPユーザなどはほとんど理解できているとは思うので、内容が低レベルでもご了承いただくことにする。

まず、接続したいサーバ情報は手元にあるはずなので、ここでは仮想的に以下の接続情報を使うことにする。もちろん内容はデタラメだ。

フゲフガプロジェクトのサーバ情報
ホスト名 example.com
IPアドレス 192.168.1.1
ID hogehoge
パスワード fugafuga

上記の様な接続情報は、ネットワーク管理者やプロジェクトマネージャ、リーダーなんかからもらっているはずだ。なので、FFFTPのパスワードが米印でわからない、と言う事は一般的にありえないはず。もしパスワードが分からないのであれば、分かる人に聞くか、サーバ管理者に新しいパスワードを設定してもらい、それを教えてもらうのが良い。間違ってもパスワードを平文メールで送ってもらったり、声に出して電話で確認するなどはしてはいけない。ソーシャルハッキングのネタになるだけだ。

というわけで、上記接続設定をFilezillaに設定してみよう。



まずはFilezillaを起動し、左上にあるツールボタンをクリックする。ツールボタンはマウスカーソルを上においておくと「サイトマネージャを開く」と表示されるはずだ。このような表示を「ツールチップ」と呼ぶ。

さて、サイトマネージャを開くとこのような画面になる。実際に運用している情報が設定されているので、部分的にモザイクをかけてある。


新しく接続先を設定するためには、まず「自分のサイト」が選択されている状態で、左下にいろいろ並んでいるボタンのうち「新しいフォルダ」ボタンをクリックしよう。
フォルダわけが使えるのが、WinSCPには無い機能だ。使いこなすと相当便利になるので、なるべくフォルダを作るクセをつけておこう。

たとえばプロジェクト名が「うひょひょプロジェクト」でクライアント名が「株式会社ズガーン」だとすると、フォルダ名に「株式会社ズガーン」といれ、その中に「うひょひょプロジェクト」という接続先を作るイメージだ。これなら、「うひょひょ」以外にプロジェクトが増えても、「ズガーン」の中に入れておけば、会社名でフォルダわけが出来る、と言う感じになる。もちろんあなたが好き勝手にフォルダわけしても良いことは当然だ。

次に、そのフォルダが選択されている状態で、「新しいサイト」ボタンを押す。そうすると「サイトマネージャ」ウィンドウの右側が入力出来るようになり、ここに接続情報を入力できるようになる。
以下のように入力しよう。

ホスト example.com
ポート 空白のまま
サーバの種類 FTP - File Transfer Protocol
ログオンの種類 通常
ユーザ hogehoge
パスワード fugafuga
アカウント そのまま
コメント フゲフガプロジェクトのサーバ

コメントは特に入力する必要はないが、同じホスト名で別のプロジェクトを動かすような場合もあるかと思うので、その切り分けに何かコメントを書いておくとよいだろう。
ちなみにサーバの種類はFFFTPからの移行と言う事が前提なので、FTPとしているが、SSHを使ったSFTPも、FTP Over SSLであるFTPSも、ここでは選択することが出来るので、サーバ側にあわせて適宜変更しておこう。

さて、入力が終わったら次に「一般」タブから「詳細」タブを見てみよう。 ここでは接続時に自動的に表示するディレクトリなどを設定しておくことが出来る。


仮にサーバ側のFTP先が/var/www/htmlに固定されているのであれば、「標準のリモートディレクトリ」欄に「/var/www/html」と入力しておけば、接続直後に「/var/www/html」からはじめることが出来るというものだ。
同じように、「標準のローカルディレクトリ」も、たとえば「C:\Documents And Settings\ogaaaan\」などと設定しておけば、いつでもローカル側が「C:\Documents And Settings\ogaaaan\」の内容を表示しておいてくれる。

ちなみに「サーバの種類」だが、サーバ管理者から特に言われない限り、「デフォルト - 自動判別」のままで問題ない。

その他の設定も、ヘタにいじると切断されたりするので、何も設定しておかないのが得策だ。
というわけで、「転送設定」タブを見てみよう。


転送設定は主に、アクティブかパッシブか、という設定になるのだが、具体的にどういう風に使い分けるかと言うと、
  1. アクティブモードで接続する
  2. アクティブで接続できなかったらパッシブにする
という方法がよくあるパターンだ。なぜこういうモードがあるのかというと、そもそも一般的にはアクティブという、サーバとクライアント側で受け取り口が変更されても接続しますよ、という一般的な方式でサーバと接続を行うのだが、環境によってはこの受け口の変更に対応できない場合がある。その場合、サーバとクライアント間での受け口を固定させるため、パッシブモードというモードが用意された。
詳しい話はこちらで確認すると良い。

というわけで、「転送設定」タブは特にいじる必要は無い。何か接続に問題があった場合、サーバ管理者に問い合わせれば、たいてい「パッシブにしてみて」といわれるくらいだ。

次に「文字セット」タブだ。


これはたとえば、日本語でファイル名がつけられたファイルがサーバにアップされている場合、ファイルリストが文字化けする場合がある。その際、ここの文字セットを適切に設定することにより、文字化けせずにファイル名を表示させることが出来るというものだ。

基本的には「自動判別」で問題ないし、そもそも日本語のファイル名を意図的にWebサーバにアップするというのもおかしな話でもあるので、実はそれほど神経質になって設定するようなものでもないが、たとえばLinuxサーバでWebDAVを使っていて、中味はMicrosoft Officeで作られたドキュメントだらけ、なんていうシチュエーションもあるかと思う。そういう場合は管理者に問い合わせ、文字セットなんですか?と聞けばよい。基本的には「自動判別」で問題ないはずだ。

全てのタブ内容を確認し、接続情報も問題なければ、「了解」ボタンで設定を保存しよう。
ちなみに「接続」ボタンで保存した場合、直ぐに接続を開始する。

これでファイルのアップロード、ダウンロードが可能になった。

ところで、業務では同じファイルを更新し、アップロードすることが多々あると思う。Filezillaでは、既に存在するファイルがある場合、以下のようにダイアログが表示される。


結構な量のオプションが選択できるので、これを解説してみる。

上書き 無条件に上書きする
新しければ上書き アップロードしたいファイルの方が新しければ上書きする
Overwrite if different size アップロードしたいファイルとファイルサイズが違っていたら上書きする
Overwrite if different size or source newer アップロードしたいファイルとファイルサイズが違っているか、アップロードしたいファイルの方が新しいければ上書きする
リジューム(続きから転送) アップロードを中断したところから続きを実行
名前を変更 上書きされないようにファイルの名前を変更する
スキップ(転送しない) ファイルのアップロード自体をやめる

となっている。
これらのオプションは、ファイルの1個1個にチェックが走るため、数千枚あるようなファイルを上書きする場合、ファイルの数だけダイアログが開いてしまう。そのため、選択したオプションをその後のアップロードにも適用するのかどうかも設定できるようになっている。それがダイアログ下段のオプションだ。

常にこの動作を利用する チェックを入れると、残りのファイルに対しても同じオプションを自動的に適用してくれる
現在のキューだけに適用 今回のアップロード時のみ、選択したオプションを適用させる。次回からはまたオプション選択をする必要がある(これを選んでおくのがが安全)
アップロードだけ適用 ダウンロードする際は設定項目を適用しない

俺のお勧めは、
  • 動作:「上書き」
  • 「常にこの動作を利用する」+「現在のキューだけに適用」にチェック
だ。
上書き確認時には毎回選択する必要が出てきてしまうが、正直いって全く苦にならない。
何しろ「現在のキューだけに適用」のみをクリックすれば、勝手に親項目である「常にこの動作を利用する」にもチェックが入ってくれる。これでいいのではないだろうか。

それからこれは非常に重要なことなのだが、とにかくFilezillaはかなりのサクサク感を体験できる。あまりにサクサクなため、転送に失敗しているのにも気が付かなくなってしまうかもしれない。

指定のファイルを指令どおりにアップロードして帰宅したつもりが、実は転送に失敗していて、自宅に戻ってから気づいた!しかも既に日付が変わってて今は土曜日だ!月曜日まで更新されてない状態と、精神状態とを共に維持しなければならないという、ちいさな地獄が身近にある。

これを未然に防ぐためにも、是非ログは見ていただきたい。
たとえば、パーミッションが違う場所へファイルをアップロードしてみると、ログはこのようなメッセージを吐く。


タブの文字がもう少し目立つと良いのだが。
そしてなぜアップロードできなかったのか、は、「メッセージログ」タブを見ればよい。


思いっきり「permission denied」、つまり「貴様にはファイルをアップロードする権限なんぞありゃしねぇ」と言われてしまっている。

もちろんこれはファイルをアップロードできないという意味ではなく、ただ単にアップロードする場所を間違えているだけの可能性が高い。

前回レイアウトの変更で、このメッセージログを下段のタブ郡に融合させたが、これらのちょっとした障害に対して素早く気づくためには、元の位置に戻しておくというのも選択肢の一つだ。
俺はいちいちログを見てるので問題ないがな。


と言うわけで、あなたも素敵なFTPライフを送れることを祈ろうと思ったが、俺が祈るとサーバが落ちるかもしれないので、各々方にお任せする。

ここで終了だ。